今日の観賞作品。「花とアリス」
2004年3月18日 ぎんまく観賞録
観に行くと公言して、すぐさま行ってきたよ。
だって、今日はレディースデー。
そういや前に映画館で映画観たのはいつだったのか。
地元にシネコンができたのは、昨年の夏だった気がする。
今日、初めて行ってきた。
すごいキレイでビックリしちゃったよ。
だって、私が行ってた映画館って、ホント、田舎の場末の映画館で、
それがノスタルジーに繋がればいいけど、そんなもんじゃなくて、
薄暗い細い廊下と、顔の見えないチケット売り場。
今どき有り得ないほど古びたトイレ。そこから漂う芳香剤のかほり。
スプリングの壊れた座席には、手作りと思わしき心ばかりの座布団。(笑)
いやー、嫌ってほど、田舎なのですわ。
これなら、ビデオかDVDになるの待って、家で見たほうが数倍感動するわい!
って、思ってたくらいだから。
で、シネコン。シートがフカフカで最初、違和感。(苦笑)
でも時間が経つにつれ、偉大さに気付く。
映画鑑賞に大事なのは環境ですわっ!と、つくづく。
さて、肝心の『花とアリス』。よかったです。かなり好みでした。
これは、完璧な少女の物語なのですわ。
喜びと悲しみ。幸せとせつなさ。日常の小さな奇跡がいくつも積み重さなった、
高く高くそびえ立つ、甘い甘いいちごパフェなのですわ。(なんのこっちゃ)
上映開始から数分後。スクリーンいっぱいの桜の花。
「やられたー!」と、思いました。映像の美しさに涙がこぼれましたよ。
花、バレエ、電車、海、制服、雨、初恋、ファザコン、文化祭、そして、嘘。
画面いっぱい。一部の隙もなく完璧な少女の世界。見事です。
薄紅色のフィルムの中に、少女の時間を封じ込める。
それは、奇跡的とさえ思えました。
「撮っておいてくれてありがとう。」そういう感じです。
過去も未来も彼女たちを捕まえることはできず、今。今だけがすべて。
嗚呼、その薄い胸に、いくつの痛みと幸せを抱えるのでしょう。
嗚呼、その眼差しに、いくつの憂いと輝きを湛えるのでしょう。
花とアリス。
二人に好かれる宮本先輩はボーッとして、一見「どこがいいの?」。
でも、それこそが少女の恋なのです。
恋の魔法は「アバタモエクボ(←ちょっと呪文っぽく)」ですもの。
ここで、先輩がマジにかっこよかったら、ダメです。
どこにでもいそうな。そんな先輩に恋するからこそ、少女の恋。
いやいや、本当の恋なのです。
鈴木杏ちゃん(花役)と蒼井優ちゃん(アリス役)。
二人の好演が光ります。まさに、“今”の彼女たちにしかやれない役柄です。
それは今しか、彼女たちも『少女』じゃないからです。
傍役では、アリスの父親役の平泉成さんが、かなりよかったなぁ。
娘とのやり取りがなんとも言えず、別れのシーンはせつなかった。
他にも、要所要所に、有名どころの俳優さんがチラホラ。
それがまたいい味出してて、物語を飽きさせません。
でも、まぁ、特筆すべきは蒼井優ちゃんの少女っぷりの見事さです。
彼女こそ、私が思う『少女』の憧れそのままです。
幼さを残すうなじ、儚く薄い胸、細く伸びるたおやかな手足。
コロコロ変わる移り気な表情と、時折見せる、大人の顔。
私が通ってこなかった、美しい少女の季節。
永遠に届かないから、永遠に惹かれ続けるのでしょうか。
あー、彼女もいずれ大人になるのか、、、と、思うと、
なんとなく悲しくもあり、嬉しくもあり。
って、私、中身ちょっと「おっさん的ドリーム」入ってるよなぁ、、、。(苦笑)
鈴木杏ちゃんは、声勝ちだと思うんです。すごくいい声。
少年とも少女ともつかないその声。才能のひとつだと言っていいと思う。
花とアリスが先輩をめぐって、争うシーンでの「そんなのダメだよ!」って。
彼女にしか言えません。あの声だからグッとくるのです。最高です。
パンフレット買ったのですが、そこにhanae*ちゃん(モデル。12歳)と、
岡本敏子さん(岡本太郎さんの秘書。(で、いいのかな?)77歳)の
対談が載ってるんだけど、その対談内容に意義あり!(偉そうに。笑)
宮本先輩とアリスの関係が、あーいう関係で終わったからこそ、
この映画は「少女の物語」なのです。あそこで二人が恋愛したらダメなのです。
あの瞬間に、アリスは「宮本雅志」という男の子の中で、
永遠に『少女』で在り続ける権利を獲得したんですよ。
それをアリス自身が選んだんです。
だからこそ「アリス」が「アリス」であるのです。
彼女は『永遠の少女』なのですわ!(妙に力説)
、、、と、勝手に作者の意図を深読みしてみる、私。
語ろうと思えば、もっと語れるかも。(もうええわ。苦笑)
観た後、いい気分になれます。少なくとも、私はいい気分です。
とても良い映画でした。
どうもありがとう。
監督/脚本:岩井俊二 撮影監督:篠田昇 美術監督:種田陽平
出演:鈴木杏 蒼井優 郭智博 他。
だって、今日はレディースデー。
そういや前に映画館で映画観たのはいつだったのか。
地元にシネコンができたのは、昨年の夏だった気がする。
今日、初めて行ってきた。
すごいキレイでビックリしちゃったよ。
だって、私が行ってた映画館って、ホント、田舎の場末の映画館で、
それがノスタルジーに繋がればいいけど、そんなもんじゃなくて、
薄暗い細い廊下と、顔の見えないチケット売り場。
今どき有り得ないほど古びたトイレ。そこから漂う芳香剤のかほり。
スプリングの壊れた座席には、手作りと思わしき心ばかりの座布団。(笑)
いやー、嫌ってほど、田舎なのですわ。
これなら、ビデオかDVDになるの待って、家で見たほうが数倍感動するわい!
って、思ってたくらいだから。
で、シネコン。シートがフカフカで最初、違和感。(苦笑)
でも時間が経つにつれ、偉大さに気付く。
映画鑑賞に大事なのは環境ですわっ!と、つくづく。
さて、肝心の『花とアリス』。よかったです。かなり好みでした。
これは、完璧な少女の物語なのですわ。
喜びと悲しみ。幸せとせつなさ。日常の小さな奇跡がいくつも積み重さなった、
高く高くそびえ立つ、甘い甘いいちごパフェなのですわ。(なんのこっちゃ)
上映開始から数分後。スクリーンいっぱいの桜の花。
「やられたー!」と、思いました。映像の美しさに涙がこぼれましたよ。
花、バレエ、電車、海、制服、雨、初恋、ファザコン、文化祭、そして、嘘。
画面いっぱい。一部の隙もなく完璧な少女の世界。見事です。
薄紅色のフィルムの中に、少女の時間を封じ込める。
それは、奇跡的とさえ思えました。
「撮っておいてくれてありがとう。」そういう感じです。
過去も未来も彼女たちを捕まえることはできず、今。今だけがすべて。
嗚呼、その薄い胸に、いくつの痛みと幸せを抱えるのでしょう。
嗚呼、その眼差しに、いくつの憂いと輝きを湛えるのでしょう。
花とアリス。
二人に好かれる宮本先輩はボーッとして、一見「どこがいいの?」。
でも、それこそが少女の恋なのです。
恋の魔法は「アバタモエクボ(←ちょっと呪文っぽく)」ですもの。
ここで、先輩がマジにかっこよかったら、ダメです。
どこにでもいそうな。そんな先輩に恋するからこそ、少女の恋。
いやいや、本当の恋なのです。
鈴木杏ちゃん(花役)と蒼井優ちゃん(アリス役)。
二人の好演が光ります。まさに、“今”の彼女たちにしかやれない役柄です。
それは今しか、彼女たちも『少女』じゃないからです。
傍役では、アリスの父親役の平泉成さんが、かなりよかったなぁ。
娘とのやり取りがなんとも言えず、別れのシーンはせつなかった。
他にも、要所要所に、有名どころの俳優さんがチラホラ。
それがまたいい味出してて、物語を飽きさせません。
でも、まぁ、特筆すべきは蒼井優ちゃんの少女っぷりの見事さです。
彼女こそ、私が思う『少女』の憧れそのままです。
幼さを残すうなじ、儚く薄い胸、細く伸びるたおやかな手足。
コロコロ変わる移り気な表情と、時折見せる、大人の顔。
私が通ってこなかった、美しい少女の季節。
永遠に届かないから、永遠に惹かれ続けるのでしょうか。
あー、彼女もいずれ大人になるのか、、、と、思うと、
なんとなく悲しくもあり、嬉しくもあり。
って、私、中身ちょっと「おっさん的ドリーム」入ってるよなぁ、、、。(苦笑)
鈴木杏ちゃんは、声勝ちだと思うんです。すごくいい声。
少年とも少女ともつかないその声。才能のひとつだと言っていいと思う。
花とアリスが先輩をめぐって、争うシーンでの「そんなのダメだよ!」って。
彼女にしか言えません。あの声だからグッとくるのです。最高です。
パンフレット買ったのですが、そこにhanae*ちゃん(モデル。12歳)と、
岡本敏子さん(岡本太郎さんの秘書。(で、いいのかな?)77歳)の
対談が載ってるんだけど、その対談内容に意義あり!(偉そうに。笑)
宮本先輩とアリスの関係が、あーいう関係で終わったからこそ、
この映画は「少女の物語」なのです。あそこで二人が恋愛したらダメなのです。
あの瞬間に、アリスは「宮本雅志」という男の子の中で、
永遠に『少女』で在り続ける権利を獲得したんですよ。
それをアリス自身が選んだんです。
だからこそ「アリス」が「アリス」であるのです。
彼女は『永遠の少女』なのですわ!(妙に力説)
、、、と、勝手に作者の意図を深読みしてみる、私。
語ろうと思えば、もっと語れるかも。(もうええわ。苦笑)
観た後、いい気分になれます。少なくとも、私はいい気分です。
とても良い映画でした。
どうもありがとう。
監督/脚本:岩井俊二 撮影監督:篠田昇 美術監督:種田陽平
出演:鈴木杏 蒼井優 郭智博 他。
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