愛犬「とみこ」永眠す。
2002年10月15日ここ最近、ずっと元気なかった。
とみこは、10年前、拾った捨て犬だった。
もうすでに成犬であり、何歳かはわからなかった。
愛らしい、つぶらな丸い瞳と、
フワフワのテリアを思わせる毛並み。
ココア色の彼女は、ぼくを頼って、そっと近付いてきたのだ。
それまで、彼女は、家の付近に住みついてはいたけど
家族の誰1人にも、近付いてくるようなことはなかったらしい。
当時、ぼくはまだ学生で、その日は休みだったと思う。
家族に話しを聞いていたけど、
ぼくはまだ、彼女に直接会ってはいなかった。
外でなにかしていたような記憶がある。
そこへ彼女は不意に現れたのだ。
「おいで。」と手を伸ばしたら、
吸い込まれるように彼女は腕の中で丸くなった。
まるで呼ばれるのを待っていたようだった。
その日から、彼女は家族になったのだ。
「とみこ」と名付けたのは、その時、一緒にいた大叔母である。
時の総理大臣「村山富市」さんの眉毛のような、
フサフサの毛が顔を被っていたからである。
とみこは、控え目で、大人しく、臆病な子だった。
お客さんが、来ても吠えるばかりで、すぐ隠れる。
家族以外には、あまり心許さず、愛想もしない。
ただ、おやつをくれる人には、行儀良くお座りし、
しっかりおやつをいただくような、ちゃっかりした性格だった。
まんまるでぷくぷく。
甘いお菓子大好き。
犬用ビスケット、ジャーキー大好き。
松の木の下でのお昼寝。
祖母の畑仕事のおつき合い。
雷は大嫌い。写真のフラッシュにも怯えた。
ブラッシングは苦手。
でも、されると、嬉しい。
まるい茶色のぷくぷくは、
ぼくの手の中でゆっくりとその生涯を閉じた。
一度消えかけた、命の火。
ぼくは焦って、呼び戻してしまった。
「とんちゃんっ!とんちゃんっ!!」
彼女は大きく息をついて、心臓は再び弱々しく動き出した。
でも、絶対、もう無理だって思った。
次に、心臓が止まったら、もう二度と声を掛けないと誓った。
安らかに、とにかく苦しまずに逝かせたかった。
死ぬ時に一番最後まで残る感覚は聴覚なんだって。
だからぼくは、ずっと話し掛けた。
とんちゃんは、いい子だったよ。すごく、いい子だった。
向こうには、さんちゃん(昨年5月に永眠した愛犬)もいるし、
そのうち、ぼくも逝く場所だから。
待ってて。また会えるよ。
だから、恐くないよ。大丈夫。大丈夫だからね、、、。
ゆっくり消えた、命の火は、青い青い空に登った。
愛おしい亡きがらを残して、旅立った。
とんちゃん。大好きだったよ。
うちに来てくれてありがとう。
うちを選んでくれてありがとう。
また、会おうね。
とみこは、10年前、拾った捨て犬だった。
もうすでに成犬であり、何歳かはわからなかった。
愛らしい、つぶらな丸い瞳と、
フワフワのテリアを思わせる毛並み。
ココア色の彼女は、ぼくを頼って、そっと近付いてきたのだ。
それまで、彼女は、家の付近に住みついてはいたけど
家族の誰1人にも、近付いてくるようなことはなかったらしい。
当時、ぼくはまだ学生で、その日は休みだったと思う。
家族に話しを聞いていたけど、
ぼくはまだ、彼女に直接会ってはいなかった。
外でなにかしていたような記憶がある。
そこへ彼女は不意に現れたのだ。
「おいで。」と手を伸ばしたら、
吸い込まれるように彼女は腕の中で丸くなった。
まるで呼ばれるのを待っていたようだった。
その日から、彼女は家族になったのだ。
「とみこ」と名付けたのは、その時、一緒にいた大叔母である。
時の総理大臣「村山富市」さんの眉毛のような、
フサフサの毛が顔を被っていたからである。
とみこは、控え目で、大人しく、臆病な子だった。
お客さんが、来ても吠えるばかりで、すぐ隠れる。
家族以外には、あまり心許さず、愛想もしない。
ただ、おやつをくれる人には、行儀良くお座りし、
しっかりおやつをいただくような、ちゃっかりした性格だった。
まんまるでぷくぷく。
甘いお菓子大好き。
犬用ビスケット、ジャーキー大好き。
松の木の下でのお昼寝。
祖母の畑仕事のおつき合い。
雷は大嫌い。写真のフラッシュにも怯えた。
ブラッシングは苦手。
でも、されると、嬉しい。
まるい茶色のぷくぷくは、
ぼくの手の中でゆっくりとその生涯を閉じた。
一度消えかけた、命の火。
ぼくは焦って、呼び戻してしまった。
「とんちゃんっ!とんちゃんっ!!」
彼女は大きく息をついて、心臓は再び弱々しく動き出した。
でも、絶対、もう無理だって思った。
次に、心臓が止まったら、もう二度と声を掛けないと誓った。
安らかに、とにかく苦しまずに逝かせたかった。
死ぬ時に一番最後まで残る感覚は聴覚なんだって。
だからぼくは、ずっと話し掛けた。
とんちゃんは、いい子だったよ。すごく、いい子だった。
向こうには、さんちゃん(昨年5月に永眠した愛犬)もいるし、
そのうち、ぼくも逝く場所だから。
待ってて。また会えるよ。
だから、恐くないよ。大丈夫。大丈夫だからね、、、。
ゆっくり消えた、命の火は、青い青い空に登った。
愛おしい亡きがらを残して、旅立った。
とんちゃん。大好きだったよ。
うちに来てくれてありがとう。
うちを選んでくれてありがとう。
また、会おうね。
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